旅館 綿屋

町田川が松浦川と合流する唐津城の南西に、時間を重ねたことが窺える宿が建つ。建物は国の登録有形文化財で、明治38年頃に建築された。




玄関を入ると土間が迎える。左手へ上がると受付、右に上がると浴室が待つ。この日は内湯の調子が思わしくないようで、露天へ案内された。




コンパクトな脱衣所ながら、落ち着いた和の風情が漂う。窓越しに植栽された木々が揺れ、ガラスの向こうでは湯舟が湯を湛えているのが見える。
扉を開けると露天エリアだ。如月の風が肌を冷ます。階段を2段降りると洗い場。床には木が敷き詰められ、外気の冷えを防御する。




浴槽は檜で覆われている。一切の濁りをもたない澄んだ湯が注がれている。やや温めだ。塩素臭が鼻腔に届く。口に含むと塩味が舌を刺激する。湯は浴槽から溢れず、湯面は同じ位置を保持する。
洗い場は3か所。混合栓に供給されている湯は白湯だ。シャンプー類に加え、トリートメント、石鹸も揃う。




湯に身を沈め木々を眺めていると後客がひとり、ふたり・・・。
湯上り、潮風に触れたような感覚が肌に残っていた。


からつ温泉 旅館 綿屋
唐津市大名小路5-10
0955(72)4181 HP
ナトリウム-塩化物冷鉱泉
19.5℃
シャンプー類あり ドライヤーあり
内湯 露天
500円
11:00~21:00
2016/2/1